「作り置きおかず」が急上昇!アフターコロナの食トレンド
『DELISH KITCHEN』では、2019年〜2023年にアプリ内で検索されたレシピの動向から、コロナ前後での食トレンドの変化を分析しました。
ユーザーがお気に入りに登録したレシピの動向では、コロナ禍を経て、調理工程数が少なく、手軽に作れるレシピの人気が上がってきていることが分かりました。
また、検索ワードの動向では、アフターコロナでの外出増加に伴い、「作り置きおかず」や「お弁当おかず」の検索ボリュームが上昇していることが判明しました。
さらに、「風邪」「おかゆ」といった、体調不良時の食事レシピの検索ボリュームも、コロナ前後でV字回復傾向がみられました。
※検索ボリュームとは総検索数における、ある特定ワードの検索数の割合を表した数値で、検索頻度を表しています。(アプリのみ)
なお、2021年から現在までの『DELISH KITCHEN』アプリ内の検索ワードランキングやユーザーのトレンド情報は下のボタンからダウンロードいただけます。ぜひご覧くださいませ。
\2021年以降の食トレンド資料/
コロナ禍での自炊増加で、より手軽なレシピの需要が増加
『DELISH KITCHEN』では、2019年〜2023年に、ユーザーがアプリ内でお気に入りに登録したレシピの調理工程数の変化を分析しました。その結果、コロナ禍を経て、調理工程数が4以下と少ない(手軽な)レシピがお気に入りに登録される割合が増加していることが分かりました。一方、調理工程数が7以上と多い(手間のかかる)レシピは、コロナ禍初期の2020年に一時的に増加したものの、2021年以降は下降傾向となっていました。
コロナ禍初期は、自宅で過ごす時間が増え、自炊に挑戦する人が増えました。2020年に行われた農林水産省の意識調査(※)では、26.5%の人が、自宅で料理を作る回数が増えたと回答していました。また、「おいしさや楽しさなど食を通じた精神的な豊かさ」が広がったと回答した人も、若い世代(20~30歳代)で12.7%に上り、料理自体に楽しみを見出す人が増えたことで、手間のかかるレシピも一時的に人気を集めたと考えられます。
しかし、コロナ禍が長期化するにつれ、毎日の自炊をより手軽に済ませたい人が増え、調理工程数の少ないレシピの需要が上がったとみられます。2023年は、アフターコロナで外出の機会も増えましたが、引き続き調理工程数の少ないレシピの人気が上がっており、需要は定着してきていることが伺えます。
学校・会社などの外出増加が影響?「作り置きおかず」「お弁当」の検索が上昇
2019年〜2023年の4、5月に『DELISH KITCHEN』アプリ内で検索されたワードの検索ボリュームの変化を分析したところ、2023年に入ってから、「作り置きおかず」の検索ボリュームが急上昇していることが分かりました。今年4、5月の検索ボリュームは前年比約5倍となりました。特に週末に検索が増える傾向にあり、平日仕事に出かける方が、週末のうちに作り置きをしていることが伺えます。
5月8日から、新型コロナウイルス感染症の位置づけが、これまでの「2類相当」から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行しました。Job総研 の「コロナ5類移行に伴う意識調査」によると、5類移行に伴う出社方針の変化について、「出社が増える」との回答が48.6%に上りました。リモート勤務が推奨されていたコロナ禍から一転、出社日が増えたことで、平日は時短料理や、そのまま食卓に出すことのできる「作り置きおかず」のニーズが高まっていることが推察されます。
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また、「お弁当」や「お弁当おかず」も、今年検索ボリュームが上昇しています。コロナ禍では、運動会や遠足など、お弁当が活躍するイベントが軒並み中止となったことに加え、リモート勤務が増え、お弁当を持って外出する機会が減っていたこともあり、大きく検索ボリュームが下がっていました。
2023年は、引き続きコロナ前と比較すると低調ではありますが、イベントの復活や出社の増加に伴い、徐々に検索が回復してきているとみられます。
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体調不良時のレシピ検索がV字回復
「お弁当」と同じくコロナ前後でV字回復傾向となっているのが、「風邪」「おかゆ」というワードです。いずれもコロナ禍で検索ボリュームが大幅に減っていましたが、2022年秋頃から徐々に検索が増えてきています。「風邪」と検索したユーザーの多くは、おかゆ、雑炊などの消化のよいレシピをその日のうちに閲覧していることも分かりました。
コロナ禍において、体調不良時は病院や自宅での隔離治療が必要だったため、自身で食事を作ったり家族に食事を作ってもらったりする機会が減り、「風邪」の検索が一時的に減っていたと推測されます。しかし、2022年9月には、政府が「With コロナに向けた政策の考え方」として、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る方針を発表。自宅療養中の患者が食料品の買い出しのために外出することも可能となり、体調不良時に食事を手作りする動きが戻ってきていることが伺えます。
まとめ
コロナ禍を経て、より調理工程数が少なく、手軽に作れるレシピの人気が定着していることが分かりました。こうした傾向は、最近注目されている「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉にも通じます。
「コスパ(コストパフォーマンス)」が費用対効果を意味するのに対し、タイパは時間対効果、つまり効率のいい時間の活用を意味しています。
食においては、時間をかけずに作れる満足度の高い食事が求められており、DELISH KITCHENでも調理工程数4以下のレシピが全掲載レシピの60%以上を占めています。
また、「風邪」の検索ボリューム増加にみられるように、食事による健康管理の意識も回復してきました。タイパが良く、栄養を効率よく取れる健康的なレシピが、今後更に求められていくのではないでしょうか。
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