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雪印メグミルク株式会社様

店頭サイネージのCPB(態度変容単価)がSNS広告より安価と実証!17%効率的に態度変容を促せる結果に

成長を続けるデジタルサイネージ市場と課題


日本のデジタルサイネージ市場は着実に拡大しており、商業施設・店舗サイネージの領域は、今後3年で2.4倍の成長が見込まれています。その中で、スーパーマーケットの店内サイネージ活用にも大きな注目が集まっています。

順調に成長を続ける店内サイネージですが、多くの市場関係者が「広告効果の可視化」やその「評価方法の標準化」を依然として重要な課題であると受け止めています。効果測定に関する課題として、具体的には以下のようなものが挙げられます。

 ・リーチ効果やブランドリフト効果が見えない
 ・コスト効率が不明瞭なので、他メディアと横比較することが難しい

配信面の拡大に加えて、こうした効果測定に関する課題を解決することによって、出稿実績のない広告主からの需要を取り込むことで更なる市場拡大が期待されています。


参照:https://cartaholdings.co.jp/news/20221219_1/


DELISH KITCHENでは、2019年から全国のスーパーマーケットへ店頭サイネージの設置を開始し、現在では2,300店舗以上に約7,000台導入されています。店頭サイネージで放映できる「ストアビジョン広告」は、”購買に最も近い広告”として今までに120社以上のメーカーの皆さまにご利用いただき、日本最大級の店頭サイネージ広告プラットフォームとして発展しています。

DELISH KITCHENにおいても、「店頭リーチに興味はあるものの、広告出稿の可否判断が難しい」というご相談をいただくこともありました。そこで、ブランドリフト等の既存の調査手法に加えて、AIカメラ等のテクノロジーを組み合わせることで、新たな効果計測の手法を開発しました。

具体的には、店頭サイネージに設置しているAIカメラでリーチボリュームを把握。配信店舗周辺でブランドリフト調査を行い、量と質を掛け合わせた「ブランドリフトのコスト効率を可視化」することで、店頭モーメントならではの価値を証明できる、CPB(Cost Per BrandLift)算出の実証実験を実施しました。

CPBとは

CPB(Cost Per BrandLift、以下CPB)とは、一人当たりの態度変容単価のことを指します。

「コスト」「リーチ」「態度変容」の3つ要素から広告効果を明らかにするもので、コストを想定態度変容人数で割ることで、一人当たりの態度変容単価を算出します。これにより、オンライン・オフラインのメディア間やメニュー間でも一律な評価が可能となります。

CPB(態度変容単価)=費用 / 想定態度変容人数


店頭サイネージにおけるCPB算出の実証実験概要

今回の実証実験は、2023年5月に雪印メグミルク株式会社の「雪印北海道バター」のプロモーションとして、店頭サイネージ「ストアビジョン」とSNS広告「Instagram」で同じ広告を展開し比較しました。

店頭サイネージを設置している一部店舗でAIカメラを活用しリーチ数を取得し、そこに、従来から実施しているブランドリフト調査を掛け合わせ、リーチ量と質を統合して評価できるCPBを算出する実証実験を行いました。



SNS広告より店頭サイネージの方がCPBが安価なことを実証

まず、CPBを算出するにあたってブランドリフト調査を実施しました。
購入意向度は非接触者に対して1.7倍のブランドリフトが見られ、ブランドリフト幅の差分を Instagramと比較すると、2倍の効果が見られました。


次に、CPM(Cost Per Mille = リーチ単価、以下CPM)とCPBの比較です。

やはりCPMでは、ストアビジョン 1,473円、Instagram 888円と、店頭サイネージはCPMでは大手SNSに敵わない一方で、CPBは「ストアビジョン」では5.5円と、Instagramの6.6円より17%も効率的に態度変容を促すことができることがわかりました。

購買に最も近い買い物シーンでリーチすることで高いブランドリフトを実現し、CPBで比較した際には店頭サイネージの方がより安価に態度変容を促すことができると証明されました。



雪印メグミルク株式会社様からのコメント

<DELISH KITCHENのストアビジョンをご活用いただいた背景・狙い>
「雪印北海道バター」のメニュー提案を通じたお客様の購買促進と、店頭での販促実現を目的に実施しました。従来、動画広告と店頭販促との連動が取り組み切れていないことを課題として考えておりました。今回、ストアビジョンの企画を通じて店頭での需要喚起だけでなく、量販店さまにも放映期間と合わせたチラシ販促を実施いただけた事例が複数あったことが収穫であったと感じております。
 
<今回の実証実験に対するご感想>
店頭サイネージは、Instagramと比較してブランドリフトが大きく上昇する点が魅力的でした。購買行動に近い店頭での訴求はやはり魅力的であると感じております。
 
<今後、DELISH KITCHEN(ストアビジョン)に期待すること>
ストアビジョン実施店舗/非実施店舗の売上比較があると、より取組み易さが向上するかと思います。更にストアビジョンの設置チェーン・店舗を増やしてほしいです。更に店舗内でのカテゴリー横断的なストアビジョンの展開を期待します。

今後の展望

今回のCPBの可視化によって、オンライン・オフラインのメディア間やメニュー間でも一律な評価が可能となっただけでなく、クリエイティブ改善などPDCAを回すことによって、更に広告効果を高めることも可能になりました。

今後は、既存メディアと新興メディアが重複することによってブランドリフト効果を最大化したり、逆に補完し合うことでリーチ効率を最大化できると考えています。それぞれの効果を可視化していくことで、オフラインメディアを組み込んだ、最適なクロスメディアプランニングの支援に取り組んでまいります。