
株式会社Mizkan様
流通商談支援と広告効果の検証に取り組ませていただいた、Mizkan「カンタン酢」の事例をご紹介します。
Challenge - デジタルと店頭の架け橋への挑戦
生活者のライフスタイルが多様化する中、Mizkan様はテレビCMに偏らないマーケティング戦略を推進され、PESOモデル*を起用し、生活者との新たな接点づくりに注力されています。
主力商品の「カンタン酢」においても、インフルエンサーを起用したSNSマーケティングを積極的に展開するなど、デジタルを中心としたコミュニケーションを設計されていました。
*PESOモデル:Paid(広告)、Earned(パブリシティ)、Shared(SNS)、Owned(自社メディア)の4つのメディアを統合的に活用するマーケティングフレームワーク
そのような背景のもと、デジタル施策を店頭での購買行動へと繋げることの重要性が一層高まる中、弊社は「売り場との連動強化」をテーマに、デジタル上のコミュニケーションと店頭の架け橋となるお取り組みをMizkan様とご一緒させていただきました。
Solution - デジタルと店頭を結ぶ、マーケティングソリューション
デジタル上でのコミュニケーションと店頭とを繋げる為には、オンラインでの接点に加え、小売店の売り場展開やチラシ・アプリといった販促施策と連動することが不可欠です。
そこでデリッシュキッチンでは保有するアセットを最大限に活用し、以下の3つの施策を提案・実行いたしました。
①SNSでの話題化と小売評価を両立する戦略的メニュー開発と発信
生活者の注目を集めると同時に、小売店からも好まれる企画を展開しました。
- 季節性や食料品価格を踏まえた食材選定
- SNSでのトレンドを加味したメニューの開発
- 480万フォロワーを超えるデリッシュキッチンのInstagramアカウントからの発信
②イン・アウト横断でのターゲットリーチ最大化
生活者が店舗に来る前から来た後まで、一貫したメッセージを訴求しました。
- 小売店の商圏エリアに限定したデジタル広告配信(アウトストア施策)
- 店内のデジタルサイネージでのコンテンツ放映(インストア施策)
③小売バイヤーとの商談機会創出
弊社と提携する食品流通会社様とも連携し、ターゲットチェーンのバイヤー様との商談機会を創出。開発したメニューと施策をご提案することで、売り場や販促の獲得をサポートしました。

Resalut - 売り場×サイネージの展開によりリフトアップを実現
本施策では、小売店様からの評価、売上への貢献という両面で具体的な成果を上げることができました。
小売業より高評価を獲得!
小売店のバイヤー様との商談の結果、本企画が評価され、一部小売チェーンでは販促展開へと繋がりました。
特に高くご評価いただいた企業様では、店内でも目立つ陳列棚(エンド棚)での展開に成功しています。
評価された点
- メニューが面白く、純粋に美味しい
- 子育て世代(20~40代)向けの企画であること
- デジタル施策と売り場の連動による活性化
売り場と連動することでより高い効果を発揮
POSデータにも、施策の効果が表れました。
特に顕著な成果を得られた企業様では、エンド展開によってPI値が前週比でリフトアップ。
そこにインストアサイネージ放映が加わったことで、さらに117%リフトし、売り場の効果をさらに高める効果が確認されました。
有意差検定により施策の効果を検証
今回の成果が、単なる偶然によるものか、あるいは施策による意味のある効果なのかを判断するため、有意差検定(両側t検定)*による効果検証を行いました。
*有意差検定:得られたデータの差が偶然生じたものか、それとも統計的に意味のある差(有意差)があるのかを判断する統計的な手法。一般的に有意水準を0.05(5%)に設定し、p値(観測されたデータが偶然に起こる確率)がこの値より小さい場合に「有意差がある」と判断される
検証の結果、「エンド展開 × サイネージ放映」において、統計的に「極めて有意な差」があることが認められました(p=0.0011)。
この結果は、この施策による効果が偶然に発生したとは考えにくく、信頼性の高いものであることを示しています。
この結果について、店内サイネージによってお客様の認知と興味関心を高め、連動した売り場があることで「欲しい」と思った瞬間に商品を手に取ることができたためと弊社では分析しています。

最後に - デリッシュキッチンならではのソリューション
食品・飲料業界では、依然としてテレビCMへの依存度が高い傾向にあります。
これは、デジタル上のコミュニケーションと売り場展開を効果的に両立させる手法が確立されておらず、業界全体の課題となっているためです。
私たちはこの課題に対し、総フォロワー1000万を超えるSNSアカウントと、食品スーパーでは国内最大規模となるインストアサイネージを連動させることで、強力な相乗効果を生み出すというアプローチで挑戦を続けています。
デジタルとリアルを横断したマーケティングにご興味をお持ちの企業様、あるいは同様の課題をお持ちでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。