
前回の記事では、ピッキングとパッキングの作業について、具体的な方法とPLに与え得る影響について触れました。
今回は特にパッキングに焦点を当て、効率化の鍵を握るパッキングアプリ『retail HUB Packer』の導入事例をご紹介します。鹿児島で長年ネットスーパーを展開されているエーコープ鹿児島様では、アプリの導入により約2.2倍の作業効率を実現できました。この事例から、紙のリストに頼った運用が抱える課題と、アプリ化による改善効果をご紹介します。
エーコープ鹿児島様は、2013年から長年ネットスーパー事業に取り組まれていますが、下記のような作業時間や体制に課題を抱えていました。

アプリ導入前、ピッキングから持ち帰った商品を、紙のリストと照らし合わせながらパッキングを行っていました。(カテゴリピッキングした商品を摘み取りパッキングにて仕分け)
このように、紙のリストに頼った運用は直感的に作業がしづらく”作業慣れ”が必要になるため、ミスが起きやすいだけでなく、過剰な人員配置によりコストが増え、ネットスーパー全体の利益率にも影響を与えていました。


<運用方法の変化>
アプリの導入に合わせ、以前は「カテゴリピッキング→摘み取りパッキング」で運用していましたが「カテゴリピッキング→種まきパッキング」に変更し、運用オペレーション自体も見直し効率化を図りました。

<導入による効果>
①作業時間の短縮と効率化
アプリの指示に従うだけで作業が完了するため、パッキングにかかる時間が大幅に短縮されました 。特に、1人1時間あたりの処理点数が、導入前の約34点から、導入後は最大約74点と、2.2倍程度に向上しています 。これにより、処理可能件数の増加や、作業人員の削減にも繋がっています。

②目視からデジタル化への変化(人為的ミスの削減)
バーコードスキャンによる素早く正確な仕分けが可能になったことで、目視作業により起きていた商品の入れ忘れや誤配送といったミスが無くなりました。導入以前は、目視のミスを防ぐために、商品とリストを再度チェックする「二重チェック」を行う作業と人員も必要でしたが不要になり、作業スペースや人員の削減にも貢献しています。
③作業の簡素化・標準化
パッキングリストの目視に頼っていた作業が、ハンディスキャナーでのスキャン作業に変わったことで、作業スピードや正確性が個人の熟練度に左右されなくなりました 。これにより、件数が増加した場合でも、応援者が容易に作業できるようになりました。
このようにアプリによる直感的な作業による作業時間や人員数の削減は、ネットスーパーにかかる人権コストを押さえることに直結するため、事業黒字化に大きく貢献することができます。
retail HUB Packerはハンディターミナルやandroid OSの端末(*1)にて利用できるアプリで、作業工程が複雑化する『種まきパッキング』をバーコードスキャンで簡易的に行うことができます。

(*1)弊社側にて動作確認を行った端末でのご利用を推奨させて頂いています
アプリの直感的な作業で時間短縮だけではなく、ミス防止や人員戦略など、パッキング作業における様々な課題に貢献できるのがretail HUB Packerを導入するメリットです。

このように、retail HUB Packerで解決できる課題は、まさにエーコープ鹿児島様が抱えていた課題とも合致したため、導入の決め手となり先述のような成果に繋がったのです。
今回は、紙のリストに頼った非効率なパッキング作業の課題と、その解決策である『retail HUB Packer』の導入事例をご紹介しました。
アプリによる作業効率化と体制整備は、誤配送のない安定的な運営を実現し、結果として事業のPL改善やネットスーパー事業の持続的な成長に寄与します。
次回の記事では、ピッキングについて、当社のピッキングアプリ『retail HUB Picker』の導入事例を交えながら解説予定です。


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